電話の声

「自分の声がウォーフィング(加工)されて再生されている」というのは半分正解で、半分は人間の耳の仕組みによる錯覚です。

電話で自分の声が変に聞こえる現象には、通信技術の仕組みと、人間の身体の仕組みという2つの明確な理由があります。

1. 通信技術の理由:声は一度バラバラに分解され「再構築」されている

スマートフォンなどのデジタル通話では、あなたの肉声をそのままデータとして送っているわけではありません。通信データ量を圧倒的に軽くするため、以下の処理が行われています。 [1]

  • 音声のデジタル記号化: マイクが拾った声の特徴(音の高さや強さなど)を、一瞬でAIや機械が読み取れるデータに分解します。
  • コードブック(辞書)による再合成: 受信側の端末は、送られてきたデータをもとに、端末内に保存されている「音の辞書」から最も近い音を組み合わせて本人の声にそっくりな合成音声を人工的に作り直して鳴らしています。
  • 音域の制限: 人間の声として聞き取りに必要な「中音域」だけを優先して送り、高すぎる音や低すぎる音はカットされています。 [1, 2, 3, 4]

そのため、肉声そのものではなく、厳密には「機械が再現したそっくりな声」を相手は聴いています。 [1, 4]

2. 人体の理由:自分が普段聴いている声は「骨の響き」が混ざっている

そもそも、あなたが「自分の地声」だと思っている声と、他人が聴いているあなたの声は全く違います。 [2]

  • 普段の自分の声: 声帯から空気を伝わって聞こえる「気導音」と、頭蓋骨を振動させて耳の奥に直接届く「骨導音(骨伝導)」が混ざったものを聴いています。骨を伝わる音は低い響きを強調するため、自分では「低く深みのある声」に聴こえがちです。 [2]
  • 電話や録音の声: 電話機やマイクは骨の振動を拾えないため、空気を通した音だけが相手に届きます。そのため、自分で電話の向こうから聞こえるエコーや録音を聴くと、骨伝導がないぶん「高くて、軽くて、薄っぺらい変な声」に感じてしまいます。 [2]

つまり、周りの人や通話相手が聴いている「あなたの声」は、電話の録音で聴くその「変な声」のほうが本物(他人が普段聴いている声)なのです。 [2, 5]


もし、特定の通話だけで自分の声が変に遅れて聞こえる場合は、相手のスピーカーから出た音が相手のマイクに再び入り込んでしまっている「ハウリング(エコー)」現象が起きている可能性が高いです。 [6]

ご自身の声について、どのような違和感(機械っぽい、声が高い、響きが遅れて聞こえるなど)があるか教えていただければ、さらに詳しい原因をお調べできます。

[1] https://10mtv.jp

[2] https://nayutas.net

[3] https://note.com

[4] https://grapee.jp

[5] https://brushvoice.net

[6] https://discussionsjapan.apple.com

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