ベクターデータベースとは?

ベクターデータベース(Vector Database)は、データを**数値ベクトル(Vector)**として保存・検索するデータベースのことです。
主にAIや機械学習の分野で、**類似検索(Nearest Neighbor Search)**を高速に行うために使われます。


なぜベクターデータベースが必要?

従来のリレーショナルデータベース(SQL)やNoSQLでは、数値・テキスト・画像データの検索は「完全一致」や「部分一致」に適していますが、
AIのように「意味が近いデータを検索する」用途には向いていません。

ベクターデータベースを使うと…

  • 画像やテキストの類似検索が可能
  • 高速に「意味の近い」データを検索
  • AIモデルと組み合わせて活用

たとえば、

  • Google画像検索:「この画像と似たものを探す」
  • 音楽レコメンド:「好みに合う曲を推薦」
  • ChatGPTの知識拡張:「意味が近い文書を検索」
    このような用途で使われます。

仕組み

  1. データを数値ベクトルに変換(Embedding)
    • AIモデル(例:OpenAIのtext-embedding-ada-002)を使って、テキストや画像をベクトル(数値の並び)に変換
    • 例:「猫」 → [0.1, 0.8, -0.2, ...]
  2. ベクターデータベースに保存
    • 各データのベクトルをデータベースに格納
  3. 類似検索(最近傍探索, Nearest Neighbor Search)
    • クエリ(検索データ)をベクトル化
    • ベクトル空間内で「最も近い」データを見つける
    • 例:「犬の画像」を検索すると、犬やオオカミの画像がヒット

代表的なベクターデータベース

🔹 FAISS(Facebook AI Similarity Search)
🔹 Milvus(オープンソースの大規模ベクターデータベース)
🔹 Pinecone(クラウドベースでスケーラブル)
🔹 Weaviate(自然言語検索に強い)
🔹 Annoy(Approximate Nearest Neighbors Oh Yeah)(Spotify開発の軽量ライブラリ)


活用例

ECサイト:「似た商品を推薦」
医療診断:「過去の類似症例を検索」
セキュリティ:「顔認識による本人確認」
動画検索:「特定のシーンを検索」
AIチャットボット:「ユーザーの質問に適した知識を検索」


まとめ

📌 ベクターデータベースは、AIによる類似検索を高速に行うためのデータベース
📌 テキスト・画像・音声を数値ベクトル化し、「意味が近いデータ」を検索
📌 FAISS, Milvus, Pinecone などのツールが人気

簡単に言うと、**「AIのためのGoogle検索」**みたいなものです! 🚀

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