構成
internet ▶ https AWS ELB ▶ http AWS EC2(Flask)
混在コンテンツの問題
- 混在コンテンツ(Mixed Content)とは: HTTPSで提供されるページ内にHTTPを通じてロードされるリソース(例:画像、CSS、JavaScript)が含まれている場合、これを混在コンテンツと言います。ブラウザはセキュリティ上の理由から、これらのリソースの読み込みをブロックするか、警告を表示することがあります。
- 対策: サイト内の全てのリソースがHTTPSを通じて提供されていることを確認してください。例えば、CSSやJavaScript、画像ファイルなどのURLは
https://から始める必要があります。
解決策
AWS Elastic Load Balancer (ELB) を使用している場合、X-Forwarded-Proto ヘッダーを確認し、その値が https であることをアプリケーションに伝える必要があります。Flaskアプリケーションでは、ProxyFix ミドルウェアを使用してこのヘッダーを処理することができます。
from flask import Flask
from werkzeug.middleware.proxy_fix import ProxyFix
app = Flask(__name__)
app.wsgi_app = ProxyFix(app.wsgi_app, x_proto=1)
詳細
ProxyFix は Werkzeug ユーティリティの一つで、リバースプロキシの背後で動作する Flask アプリケーションにおいて、HTTPヘッダーを適切に処理するためのミドルウェアです。リバースプロキシからのリクエストには、オリジナルのリクエストに関する情報(例えば、スキーマ(プロトコル)、ホスト、リモートアドレスなど)を含む特別なヘッダーが付加されることがあります。ProxyFix はこれらのヘッダーを解釈し、アプリケーションにとって有用な方法で WSGI 環境を更新します。
ProxyFix のオプション
ProxyFix のコンストラクタでは、リバースプロキシの振る舞いを制御するためにいくつかのオプションを受け取ることができます。これらのオプションは、どのヘッダーが信頼されるべきか、そしてそのヘッダーがどのように解釈されるべきかを指定します。
x_for: クライアントの IP アドレスを示すX-Forwarded-Forヘッダーの数を指定します。このオプションは、信頼できるプロキシの数を知っている場合に役立ちます。不正確な値は、クライアントIPの偽装を可能にする可能性があるため、注意が必要です。x_proto:X-Forwarded-Protoヘッダーを使用して、リクエストが HTTPS を使用して行われたかどうかを示すことができます。これはリクエストのスキーマ(httpまたはhttps)を修正するために使用されます。x_host:X-Forwarded-Hostヘッダーを使用して、オリジナルのホスト(ドメイン名)を修正するために使用されます。x_port:X-Forwarded-Portヘッダーを使用して、オリジナルのポートを修正するために使用されます。x_prefix:X-Forwarded-Prefixヘッダーを使用して、リクエストの元のパスプレフィックスを修正するために使用されます。
使用例
以下の例では、x_for と x_proto のみを設定していますが、環境や要件に応じて他のオプションも設定することができます。
pythonCopy code
from flask import Flask from werkzeug.middleware.proxy_fix import ProxyFix app = Flask(__name__) app.wsgi_app = ProxyFix(app.wsgi_app, x_for=1, x_proto=1)
この例では、1つのリバースプロキシからの X-Forwarded-For と X-Forwarded-Proto ヘッダーを信頼し、それに基づいて WSGI 環境を更新します。
注意点
リバースプロキシの設定において、どのヘッダーが信頼できるか正確に把握し、ProxyFix に正しい値を渡すことが非常に重要です。不正確な設定はセキュリティリスクを引き起こす可能性があるため、プロキシのセットアップとアプリケーションの設定には十分注意してください。
